ミニマリストという言葉が流行っています。
要は、〝持たない暮らし〟のことです。
そのメリットは
自分の本当に大事なものに気づくことができる
その結果、無駄な出費を抑えることができる、という点にあるでしょう。
しかし、本当にそれが絶対的に幸せにつながるのでしょうか。
なぜミニマリスト?
ミニマリズムは金になる
現実的な話として、ミニマリズムはお金になります。
なぜなら、ミニマリストの生活は、見る人にとっては、非日常という刺激だからです。
多くの人は〝持っている生活〟をしています。
つまり大半の人からしてみれば、ミニマリストの生活は自分とは別世界の暮らしを覗いている気分になります。
それで、本を出版すればインパクトがあるため売れ行きもそれなりにあるでしょう。
特に、シンプルライフなどの暮らしやお金に直結する話は女性の大好物です。
需要もそれなりに見込めます。
ミニマリストの持たない暮らしには、「捨てる」という言葉が連想されます。
ミニマリストの最初の一歩は物を手放すことから始まります。
では、物を持たないことは絶対正義なのでしょうか。
昨今は、車もリース契約で〝所有しない〟ようにする人も増えているように感じます。
所有することの弊害は以前から指摘されていた事です。
しかし、『夢のマイホーム』など、戦後の貧しさの反動もあってか、〝持つ〟ことを渇望している面もあります。
持たない暮らし自体に不安を感じるん人もいます。
私も母子家庭で貧乏な家庭だったため、持たない暮らしよりも所有することの幸せも確かにあると痛感しています。
その中で感じるミニマリズムの意味は、自分の強み(ストロングポイント)を理解するためにあるものだと思っています。
物があふれている現代、よくよく考えてみれば
あれ?こんなの必要だったかな。
そんな風に感じることもあることから、いったん自分の気持ちを整理するためにミニマリズムを利用するのが良いと考えています。
つまり、ミニマリストになることが目的・目標ではなく、自分の夢や目標をかなえるためにミニマリズムを利用する。
この視点が非常に重要になってきます。
憲法が、第1編基本的人権、第2編統治機構になているのも、基本的人権=目的 統治機構=手段 の関係になっています。
このように、『目的』『手段』の関係性が逆にならないようにする必要があります。
そうでないとミニマリストという言葉自体に自分が縛られて支配され、結果的に自分を苦しめる事になるでしょう。
人には、『器』というものがありますから、「捨てる」こと自体は大事であると思っています。
しかし、それ以上に重要なのは、〝自分自身を知る〟ということにあるのではないでしょうか。
- 自分が何が好きか
- 自分が何をしている時が楽しいか
- 自分が何を望んでいるか
- 自分がどうなりたいか
本屋に行っても、雑誌、ネット、テレビ、色々と「ミニマリスト」という言葉を目にします。
しかしながら、その言葉が一人歩きしているような気がしてなりません。
〝持たない暮らし〟の本質を見極めようとせず安易に言葉に飛びつくのは無意味だと感じています。
個人的には、今の生活の中にミニマリストな考え方も少しだけ取り入れていくという手法にしています。
行き過ぎれば、それはそれで厄介です。
『過ぎたるは猶及ばざるがごとし』です。
ミニマリズムの本質
ミニマリストの本質は、何でもかんでも捨てることにはありません。
要は、自分の「欲」をどうやって自分自身がコントロールするかということにあります。
ネットショッピングで検索していて、
セールで安いから買おう!
という事態にならないようにすることが大事です。
この時には、動機が『外的動機』になっています。
〝これが欲しい〟という『内的動機』ならかまいません。
しかしながら、『外的動機』の場合は、本当に必要のないものまで買っている可能性があります。
世の中の企業は、消費者の財布のひもをいかに緩めるかということが至上命題になってきますから、広告、コピーライターなどを最大限に使って宣伝・勧誘してきます。
その時に、まったくノーガードでの欲望を退けられるでしょうか。
そのための手段が「ミニマリズム」です。
その「ism(イズム)」を利用している人が本当の意味での「ミニマリスト」です。
ミニマリズムの本質は、自分の欲を見極めること
自分が、自分らしく生きるための手段がミニマリストの本質です。
そのため、実は使うところにはお金は使っているものです。
〝持たない暮らし〟といっても、一切全部捨てれば解決する事でもありません。
自分らしく生きるために必要ならある程度「所有」することも検討しましょう。
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