本を読むのが遅いのはなぜ?原因と読書スピードを上げる6つの方法

「本を読むのが遅くて、なかなか読み終わらない」
「同じ本を読んでいるのに、ほかの人より時間がかかる」
「もっと速く読めるようになりたいけれど、どうすればいいのかわからない」
そんな悩みを抱えていませんか?
本を読むスピードには個人差があり、文章の難しさや読書経験、読み方のクセなど、さまざまな要因によって変わります。
そのため、本を読むのが遅いからといって、理解力が低いとは限りません。
一方で、何度も同じ文章を読み返したり、すべての言葉を丁寧に追いすぎたりすることで、必要以上に時間がかかっている場合もあります。
そこで今回は、本を読むのが遅い人に多い特徴や原因を整理し、今日から実践できる6つの改善方法を紹介します。
読書スピードを上げたい人はもちろん、自分に合った読み方を見つけたい人も、ぜひ参考にしてください。
1. 本を読むのが遅いのはなぜ?まず知っておきたい読書スピードの個人差
読むのが遅いと感じる基準は?文字数や文章の種類で変わる速さ
そもそも、本を読むのが「遅い」とは、どのくらいの速度を指すのでしょうか。
2018年に発表された日本語の読書速度に関する研究では、大学生200人が文章を通常の方法で読んだ際、1分間に読む文字数は約300〜1,200文字で、平均は653文字でした。
同じように文章を読んでいても、人によって3倍以上の差があったことになります。
ただし、これは特定の条件で大学生を対象に行われた研究結果であり、すべての人に当てはまる平均値ではありません。
読書スピードは、文章の難易度や使用される言葉、内容に関する予備知識によっても変化します。
普段はスムーズに小説を読める人でも、専門用語が多い本を読むと時間がかかることは珍しくありません。
大切なのは、平均と比較して一喜一憂することではなく、自分がどのような文章を読むときに時間がかかるのかを知ることです。
読書にかかる時間の目安は?平均より読む目的や理解度を大切に
本を1冊読み終えるまでの時間も、人によって大きく異なります。
同じ300ページの本でも、数時間で読み終える人もいれば、数日かけてじっくり読む人もいるでしょう。
ページ数が同じでも、文字の大きさや行間、図表の量などによって情報量は違います。
また、文章を読んだあとに何をどの程度理解しているかも重要です。
たとえば、短時間で読み終えても内容をほとんど覚えていなければ、もう一度読み直す必要があるかもしれません。
反対に、時間をかけたとしても、著者の主張を理解し、自分の知識として活用できるのであれば、その読書には十分な価値があります。
読書の成果は、読み終えるまでの時間だけでは判断できないのです。
小説と実用書では読み方が違う|必要な速度は本の内容で変わる
読書スピードを考えるうえでは、本のジャンルにも注目してみましょう。
小説の場合、登場人物の心情や情景描写を想像しながら読むことが楽しみのひとつです。気に入った文章を何度も読み返すこともあるでしょう。
一方、ビジネス書や実用書では、必要な情報や著者の主張をつかむことが目的になる場合があります。
こうした本は、目次を確認し、関心のある章から読む方法も効果的です。
また、資格試験の参考書であれば、正確な理解や知識の定着が欠かせません。
このように、読書に適した速度は、本の内容や読む目的によって異なります。
どんな本でも同じスピードで読む必要はありません。
2. 本を読むのが遅い人に多い特徴と主な原因
本を読むのが遅い原因は、人によってさまざまです。
ここでは、読書に時間がかかる人によく見られる3つの特徴を紹介します。
一字ずつ音読するように読む|黙読でも言葉を追いすぎている
本を読むとき、頭の中で一文字ずつ声に出すように読んでいませんか?
実際には声を出していなくても、文章を頭の中で音声化しながら読むことがあります。
この働きは「内声化」と呼ばれています。
文章を丁寧に理解するうえで役立つこともありますが、すべての文字を発音するように確認していると、読むテンポが遅くなる場合があります。
ただし、内声化は必ずしも悪いクセではありません。
日本の読解研究では、内声化を抑えることで文章理解の成績が下がる場合もあると報告されています。
そのため、無理に頭の中の声を消そうとする必要はありません。
内容によって、丁寧に読む部分と、自然なテンポで読み進める部分を使い分けることが大切です。
前の部分に何度も戻る|文章の意味を正確に理解しようとしすぎる
文章を読んでいる途中で、何度も前の行に戻ってしまう人もいます。
「今の文章を正しく理解できただろうか」
「大切な部分を読み落としていないだろうか」
こうした不安から読み返しを繰り返すと、なかなかページが進まなくなります。
もちろん、読み返すこと自体は悪いことではありません。
難しい説明や複雑な文章では、前の部分に戻ることで理解が深まる場合があります。
ただし、内容を理解できているにもかかわらず、念のため何度も確認しているのであれば、読み方を見直してみる価値があります。
文章の意味がある程度つかめたら、いったん次に進んでみましょう。
読み進めるうちに、それまでわからなかった部分が自然につながることもあります。
集中力が続かない|スマホや読書経験の少なさが読むスピードに影響
読書中にスマートフォンを確認したり、ほかのことを考えたりしていませんか?
集中が途切れると、文章の流れを忘れてしまい、同じ部分を読み直すことになります。
特に、読書の途中でSNSや動画を見始めると、本に意識を戻すまでに時間がかかる場合があります。
また、普段あまり本を読まない人は、長い文章を読み続けること自体に慣れていない可能性もあります。
読書に必要な集中力は、最初から長時間持続させようとする必要はありません。
まずは短時間でも本に向き合う習慣をつくることが大切です。
3. 本を読むのが異常に遅いのは病気や障害?受験生が知っておきたいこと
読むのが極端に遅いだけで病気や障害とは限らない
「自分は本を読むのが異常に遅いのではないか」と不安を感じる人もいるでしょう。
しかし、読書スピードが遅いという理由だけで、病気や障害があると判断することはできません。
読書経験の不足や文章への苦手意識、疲労、集中しにくい環境なども、読む速さに影響します。
また、文章を理解しようとして時間をかける人もいます。
まずは、どのような場面で読むことに困難を感じるのかを整理してみることが大切です。
文字を読む・意味を理解することに強い苦手がある場合の相談先
一方で、文字を正確に読むことや、文章を滑らかに読むことに強い困難がある場合は、専門家への相談を考えてもよいでしょう。
たとえば、発達性ディスレクシア(発達性読み書き障害)では、文字を読むのに非常に時間がかかったり、読み間違いが多くなったりすることがあります。
これは本人の努力不足や知的能力の低さを意味するものではありません。
子どもの場合は、学校の先生や特別支援教育コーディネーター、医療機関などに相談できます。
成人の場合は、地域の発達障害者支援センターなどが相談先のひとつです。
また、文字が見えにくい、二重に見えるといった症状がある場合は、眼科への相談も考えましょう。
特に、以前は問題なく読めていたのに急に読むことが難しくなった場合は、単なる読書のクセと決めつけず、医療機関に相談することが重要です。
受験生は読む速さだけでなく、問題文の理解と時間配分を確認する
受験勉強では、限られた時間の中で問題文を読み、解答する必要があります。
そのため、読書スピードが遅いことを気にする受験生も少なくないでしょう。
ただし、速く読むことだけを目標にすると、設問の条件を読み落とす可能性があります。
まずは、どこで時間がかかっているのかを確認してみましょう。
問題文を理解するのに時間がかかるのか、選択肢を比較するのに時間がかかるのかによって、必要な対策は異なります。
過去問などを使って時間を測りながら練習し、正答率と所要時間を一緒に確認することがおすすめです。
4. 遅読にもメリットがある|無理に速く読まなくてもいい理由
本を読むのが遅いことは、必ずしも欠点ではありません。
ゆっくり読むからこそ得られるものもあります。
時間をかけるからこそ、著者の考えや言葉を深く味わえる
小説やエッセイを読んでいると、何気ない一文が心に残ることがあります。
その言葉について考えたり、自分の経験と重ね合わせたりする時間も、読書の楽しみのひとつです。
速く読み終えることを優先していたら、気づかなかった表現や発見があるかもしれません。
特に文学作品では、物語の展開だけでなく、文章そのものを味わうことにも価値があります。
読書を楽しむうえで、必ずしも速さが必要なわけではないのです。
知識のインプットや記憶には、理解度を優先する読み方が役立つ
実用書や専門書では、内容を正しく理解することが重要です。
知らない言葉を調べたり、具体例を考えたりしながら読むと、その分だけ時間がかかります。
しかし、時間をかけて考えることは、知識を自分のものにするための有効な取り組みです。
重要なのは、単にゆっくり読むことではありません。
読んだ内容を自分の言葉で説明したり、実生活に当てはめたりすることが、理解を確かめる助けになります。
必要なところで立ち止まれることも、読書における大切な能力といえるでしょう。
ネット上の意見と比べすぎず、自分の読書の目的を考える
SNSやなんJなどのネット掲示板では、「1日に何冊も本を読む」「年間100冊を達成した」といった話題を目にすることがあります。
そうした投稿を見ると、自分の読書スピードが遅いように感じるかもしれません。
しかし、読書に費やせる時間や読む本の種類、読書の目的は人それぞれです。
年間100冊読むことが目標の人もいれば、1冊の本を繰り返し読むことを大切にする人もいます。
他人と読書量を競う必要はありません。
自分が本を読むことで何を得たいのかを考えることが大切です。
5. 本を読むのが遅い人向けの改善方法|読み方を見直す3つのコツ
ここからは、読書スピードを改善するための具体的な方法を紹介します。
特別な道具は必要ありません。まずは普段の読み方を少し見直すことから始めてみましょう。
改善法1:最初に読む目的を決める|必要な部分を見つけて読む
本を開く前に、なぜその本を読むのかを考えてみましょう。
たとえば、ビジネス書なら「仕事に役立つ考え方を知りたい」、健康に関する実用書なら「生活習慣を見直すヒントが欲しい」といった目的です。
読む目的が明確になると、どの部分を重点的に読むべきか判断しやすくなります。
実用書であれば、最初に目次を確認し、関心のある章から読むのもよいでしょう。
すべての本を最初から最後まで同じ丁寧さで読む必要はありません。
ただし、小説などは順番に読むこと自体が楽しみにつながるため、本の種類に応じて使い分けましょう。
改善法2:段落ごとに要点をつかむ|必要以上の読み返しを減らす
文章を一文ずつ完璧に理解しようとすると、読むのに時間がかかります。
そこで試したいのが、段落ごとに大まかな意味をつかむ読み方です。
ひとつの段落を読み終えたら、「ここでは何を説明していたのか」と軽く考えてみましょう。
要点が理解できていれば、細かな表現をすべて覚えていなくても次に進めます。
また、読み返しが多い人は、本当に理解できなかった部分だけを確認するように意識してみてください。
重要な部分は丁寧に読み、それ以外は自然な流れで読み進めることがポイントです。
改善法3:読むペースを調整し、内容を短く要約する
本を読むときは、文章の重要度に応じてペースを変えてみましょう。
たとえば、実用書では次のような読み方が考えられます。
- 最初: 目次や見出しを確認し、本の全体像をつかむ
- 途中: 重要な説明は丁寧に読み、すでに知っている内容は軽く確認する
- 最後: 読んだ内容を振り返り、重要なポイントを整理する
特におすすめなのが、読み終えた章の内容を一言で要約することです。
「この章で著者が伝えたかったことは何か」を考えると、内容を理解できているか確認できます。
読む速さだけでなく、理解度も意識しながら取り組んでみましょう。
6. 読書スピードを上げるトレーニングと練習方法
読書スピードを改善するには、読み方を工夫するだけでなく、継続して文章に触れることも大切です。
ここでは、無理なく実践できる3つの練習方法を紹介します。
改善法4:毎日短い時間から始める|無理なく続く読書習慣をつくる
読書に慣れていない人が、いきなり長時間本を読もうとすると、集中力が続かない場合があります。
そんなときは、1日10分程度の読書から始めてみましょう。
朝起きてから、昼休み、寝る前など、自分が落ち着いて本を読める時間を選ぶのがおすすめです。
読書中はスマートフォンの通知を切るなど、集中しやすい環境を整えてみてください。
毎日少しずつでも本を読むことで、文章に触れる機会が増えます。
大切なのは、無理に長時間読むことではなく、続けられる習慣をつくることです。
改善法5:音読と黙読を使い分け、意味のまとまりで読む
普段から一文字ずつ確認するように読んでいる人は、文章を意味のまとまりで捉えることを意識してみましょう。
たとえば、「私は/昨日/図書館で/本を借りた」という文章なら、それぞれの言葉のつながりを意識しながら読んでみます。
慣れてきたら、自然な文章の流れに沿って読み進めることを目指しましょう。
ただし、頭の中で音読することを無理にやめる必要はありません。
難しい文章や覚えたい内容では、音読や内声化が理解を助ける場合もあります。
文章の内容に応じて読み方を調整することが大切です。
改善法6:速読は目的に合わせて活用する|速さだけを追わず理解を確かめる
読書スピードを上げたい人の中には、速読に興味を持つ人もいるでしょう。
速読にはさまざまな方法がありますが、読む速度を大幅に上げながら、通常の読書と同じ理解度を維持することは簡単ではありません。
2016年に発表された読書研究のレビューでも、読む速さと理解の正確さにはトレードオフがあると指摘されています。
そのため、速く読むことだけを目標にするのはおすすめできません。
たとえば、必要な情報を探すために文章をざっと確認する場合は、流し読みが役立ちます。
一方、重要な契約書や専門書、試験問題などでは、正確に理解することを優先する必要があります。
速読は万能な方法ではなく、読書の目的に合わせて活用するものと考えましょう。
7. 本・仕事・勉強で読む速度を使い分ける方法
本を読むのが遅いことに悩んでいるなら、すべての文章を速く読もうとするのではなく、読む目的に応じて速度を変えてみましょう。
小説や書籍は味わって読む|人生に残る一冊との出会いを大切にする
小説やエッセイなど、読書そのものを楽しむための本であれば、必ずしもスピードを意識する必要はありません。
好きな場面を読み返したり、印象に残った言葉について考えたりする時間も、読書の大切な一部です。
ときには、1冊の本との出会いが、自分の考え方や物事の見方を変えることもあるでしょう。
何冊読んだかという数字だけでは、そうした経験の価値を測ることはできません。
読書を楽しむときは、自分のペースを大切にしてください。
勉強やメールは必要な情報を優先し、要点を効率よくつかむ
一方、仕事や勉強では、限られた時間の中で必要な情報を把握しなければならない場面があります。
そうした場合は、文章の重要度に応じて読み方を変えてみましょう。
たとえば、メールなら件名や結論、対応が必要な事項を確認します。
参考書なら、重要な定義や公式、理解できていない部分を重点的に読みましょう。
ただし、重要な条件や注意事項を読み飛ばさないことも大切です。
効率よく読むとは、単純に文字を飛ばすことではありません。
必要な情報を正確につかみ、時間の使い方を工夫することです。
AIや要約を補助に使い、著者の主張や原文も確認する
最近では、AIや要約サービスを読書の補助に活用する方法もあります。
難しい用語の意味を調べたり、文章の背景知識を確認したりする際には便利です。
また、読む前に概要を把握することで、本文の理解が進みやすくなる場合もあるでしょう。
ただし、AIが作成した要約には、重要な情報の抜け落ちや誤りが含まれる可能性があります。
著者の主張を正確に理解したい場合は、原文を確認することが重要です。
AIは本の代わりとして使うだけでなく、読書を助ける道具として取り入れてみましょう。
8. まとめ|本を読むのが遅い悩みは、自分に合った読み方を見つけて解消しよう
本を読むのが遅い原因には、文章を丁寧に読みすぎることや、何度も読み返すクセ、集中力の低下など、さまざまなものがあります。
読書スピードを改善したい人は、今回紹介した6つの方法を試してみてください。
- 読む前に目的を明確にする
- 段落ごとに要点をつかみ、必要以上に読み返さない
- 重要度に応じて読むペースを変え、内容を要約する
- 毎日短い時間から読書習慣をつくる
- 音読と黙読を使い分け、意味のまとまりを意識する
- 速読にこだわらず、理解度を確かめながら読む
これらを一度に実践する必要はありません。
まずは自分に合いそうな方法をひとつ選び、少しずつ試してみましょう。
そして、忘れないでほしいことがあります。
本を読むのが遅いことは、必ずしも悪いことではありません。
速く読めるようになれば、限られた時間でより多くの情報に触れられるかもしれません。
しかし、ゆっくり読むからこそ、著者の言葉に向き合い、深く考えられることもあります。
大切なのは、何冊読んだか、どれくらい速く読んだかだけではなく、その本から何を感じ、何を学べたかということです。
周囲の読書スピードにとらわれず、自分の目的に合った読み方を見つけていきましょう。

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