「何から練習すればいいかわからない」「毎日練習しているのに上達を感じられない」「忙しくて時間が取れない」
ギターを始めた多くの人が、こうした悩みを抱えています。
実は、ギター上達のカギは練習時間の長さではなく、正しい練習メニューを継続すること。この記事では、初心者が3ヶ月で基礎コードをマスターし、簡単な曲を弾けるようになるための現実的な練習法を解説します。

効果的な練習メニューの3つの柱
ギター練習で挫折する大きな理由は「何をどれだけやればいいかわからない」こと。練習に必要なのは、以下の3つの要素を組み合わせることです。
1. ウォームアップ(5分) いきなり難しいフレーズを弾こうとすると、指が動かず挫折感だけが残ります。5分の準備運動で指をほぐすだけで、その後の練習効率が大きく変わります。
2. 基礎練習(10〜20分) 地味に感じるかもしれませんが、コードやスケールの反復練習こそが上達の土台。週3回、2週間続けると、指の動きに明らかな変化を感じられます。
3. 実践練習(10〜20分) 好きな曲を弾く時間。「できた」という小さな達成感が、継続のモチベーションになります。完璧に弾けなくても、少しずつ進歩している実感が大切です。
【初心者向け】1日20分の練習メニュー
ギターを始めたばかりの方は、「早く曲が弾きたい」と焦る気持ちと、「指が痛い」「全然音が出ない」という現実のギャップに悩むもの。でも大丈夫。まずは4つの基本コードをマスターすることから始めましょう。
ウォームアップ(5分)
- 各弦を1本ずつゆっくり弾く(1分)
- クロマチック練習:1〜4フレットを順番に押さえる(4分)
最初は指が痛くて当然です。2週間続ければ、指先に「タコ」ができて痛みは和らぎます。
基礎練習(10分)
- C、G、Am、Emコードの練習(各1分)
- コードチェンジ練習(6分):C→G→Am→Em→Cをゆっくり繰り返す
「指が届かない」「きれいな音が出ない」と感じても焦らないこと。1ヶ月続ければ、確実にコードが押さえられるようになります。
実践練習(5分)
- 4コードで弾ける簡単な曲を選んで練習
- テンポは遅くてOK。正確に弾くことを優先
1ヶ月後の目標: 4つのコードをスムーズにチェンジできる 3ヶ月後の目標: 簡単な曲を1曲、ゆっくりなら最後まで弾ける

コードの切り替え練習は初心者の頃よくやっていました
【中級者向け】1日40分の練習メニュー
基本コードが弾けるようになると、次は「もっと難しい曲に挑戦したい」という意欲が湧いてきます。でも、Fコードの壁に当たって挫折する人も多い段階。焦らず、着実にステップアップしましょう。
ウォームアップ(10分)
- メジャースケール(Cメジャー)を上下する(5分)
- アルペジオパターン(5分)
指がスムーズに動くようになってきたと感じるはず。ウォームアップを丁寧にやると、練習全体の質が変わります。
基礎練習(20分)
- バレーコード練習(8分):Fコード、Bmコードなど
- スケール練習(7分):ペンタトニックスケール、メジャースケール
- リズムトレーニング(5分):メトロノームに合わせて8ビート、16ビート
Fコードは最初の1週間が勝負。毎日5分練習すれば、2週間でそれなりの音が出せるようになります。
実践練習(10分)
- 好きな曲2曲を練習
- 苦手なフレーズを部分的に取り出して反復
3ヶ月後の目標: バレーコードを使った曲が弾ける 6ヶ月後の目標: 中級レベルの曲を5〜6曲レパートリーにできる
【上級者向け】1日60分の練習メニュー
技術的にはかなり弾けるようになった。でも「もっと表現力を高めたい」「自分らしい演奏がしたい」という新たな壁にぶつかる段階です。
ウォームアップ(10分)
- 様々なスケールを異なるポジションで(5分)
- テクニカルなフィンガーエクササイズ(5分)
基礎練習(30分)
- 特殊奏法の練習(10分):スウィープ、タッピングなど
- モード、ディミニッシュスケール(10分)
- ジャズコード、テンションコード(10分)
新しい奏法は、最初の1ヶ月は「本当にできるようになるのか」と不安になるもの。でも毎日10分続ければ、3ヶ月後には必ず形になります。
実践練習(20分)
- 難易度の高い楽曲の練習
- アドリブ・即興演奏
- 耳コピやアレンジの研究
6ヶ月後の目標: 新しい奏法を曲の中で自然に使える
1年後の目標: 自分のスタイルで即興演奏ができる
挫折しないための5つの練習のコツ
多くの人が「続かない」「上達しない」と悩みます。でも、以下のポイントを押さえれば、確実に前進できます。
メトロノームは必須(最初は60BPMから) 「リズムがずれている」自覚がない人がほとんど。メトロノームに合わせると、最初は全然合わなくて落ち込むかもしれません。でも2週間続ければ、確実にリズム感が向上します。テンポは欲張らず、ゆっくりから始めましょう。
小さな目標を設定する(1週間単位で) 「ギターが上手くなりたい」という漠然とした目標では続きません。「今週はCコードをきれいに鳴らす」「この1週間でコードチェンジを5秒以内にする」など、達成感を味わえる小さな目標を立てましょう。
週1回、自分の演奏を録音する スマートフォンの録音でOK。自分の演奏を客観的に聴くと、思っていた音と全然違うことに驚くはず。でもこれが上達のヒント。1ヶ月前の録音と比べると、確実に進歩していることがわかります。
集中力は15〜20分が限界 長時間ダラダラ練習するより、20分集中して休憩する方が効果的。疲れを感じたら無理せず休憩しましょう。「今日は調子が悪い」と感じる日もあって当然です。
得意な曲ばかり弾かない(練習時間の7割は苦手克服に) すでにできることばかり弾いても上達しません。「難しい」「できない」と感じることこそ、あなたの伸びしろ。苦手なコードやフレーズに時間をかけましょう。
飽きない工夫:週7日の練習バリエーション
「毎日同じ練習で飽きた」これも挫折の大きな理由。週単位でテーマを変えると、新鮮な気持ちで練習できます。
- 月曜日:コードとリズム(基礎をしっかり)
- 火曜日:スケールとフィンガリング(指の動きを磨く)
- 水曜日:好きな曲の練習(モチベーション回復日)
- 木曜日:音楽理論の学習(知識を深める)
- 金曜日:アドリブ・即興演奏(自由に楽しむ)
- 土曜日:総合練習(すべての要素を組み合わせる)
- 日曜日:完全休養日、または好きなように弾く
特に日曜日の休養は重要。「毎日弾かないと」と自分を追い詰めると、かえって続きません。週1日は罪悪感なく休む日を作りましょう。
まとめ:1日10分から始めよう
「ギターが弾けたら楽しいだろうな」と思ってギターを手にしたあの日の気持ちを思い出してください。
上達に近道はありません。でも、正しい練習メニューを継続すれば、3ヶ月後には確実に基礎が身につきます。半年後には、友人の前で1曲披露できるようになります。1年後には、あなたの演奏を聴いて「すごい!」と言ってくれる人が現れます。
大切なのは、完璧を目指さないこと。「今日は5分しか弾けなかった」それでもOK。「Fコードがまだきれいに鳴らない」それでもOK。昨日より少しでも前進していれば、それは上達です。
最初から1時間練習する必要はありません。まずは1日10分。ギターケースを開けて、5分だけ触る。それだけで十分です。
「できない」と落ち込む日もあるでしょう。でも、諦めずに続けた人だけが、ギターを弾く喜びを手に入れられます。あなたのペースで、楽しみながら、一緒に上達していきましょう。





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